「庭の排水(水はけ)が悪いので、水たまり対策をしたい」「DIYで水はけを改善できないかな?」などなど。自宅の庭の水はけが悪くて困っていませんか?
雨が降った次の日は水たまりができ悲惨な状態になっていたり、歩いた時に靴の泥で玄関や車の中が泥だらけでストレスになっていたりしてませんか?
どうすれば庭の水はけが改善されて、水たまりがなくなるのか?DIYでもできる簡単な方法はあるのか?
今回は、お庭の水たまり対策で、DIYで出来るの水はけ改善の方法と、工事業者の解決法をお伝えします。
庭の水はけが悪い3つの原因
最初に、そもそもなぜ、庭に水たまりが出来てしまうのか?その原因についてお伝えします。
お庭に水たまりが出来る原因は様々ですが、大きく分けると次のような原因が挙げられます。
- 水勾配が取れていない
- 地面の土が粘土質
- 排水先がない
主に上記のような原因が挙げられます。
一つ一つ見ていきましょう。
原因1 地面の土が粘土質
お庭に水たまりができる原因の1つ目です。
お庭に水たまりができる最大の原因が、地面が粘土質である事です。
地面が粘土質の場合、粒子が細かく詰まっているので、水が地面に浸透していきません。
南向きの日当たりの良い場所でも、地面が粘土質だと雨が降った後3日以上経っても、水たまりが出来たまま、なんていう事もあります。
なので、必然的に水たまりが出来やすい状態になります。
詳しくは次のページをご覧ください。
また、最近では減りましたが、30年から40年前に建てられたお家の場合、土中にゴミが混ざっている事があり、それが原因でみずはけが悪くなっているなんて事もあります。
原因2 庭の表面排水ができていない
水は高いところから低いところに向かって流れていきます。
水が高いところから低いところに流れるようにすることを、「水勾配」と呼びます。
また、雨が降ると庭の地面の表面をたどって流れていきます。これを表面排水と言います。
何が言いたいかというと、雨水桝などに向うように表面排水(水勾配)を作っておかないと、どこかに水が溜まるわけです。
新築でお家を買ったばかりで、庭工事をしていない場合だと、多くの場合はお庭の水勾配や表面排水を考えて、地面を均していることは、ほとんどありません。つまり表面排水や水勾配はとれていないわけです。
なので、水たまりができてしまうわけです。
原因3 排水先がない
原因の3つ目は、排水先がないということです。
通常、水はけを良くするには、雨水桝に向かって水勾配を取ることで、ある程度改善されていきます。
しかし、そもそも雨水桝がないとなると、水がはけていく先がありません。
水がはけていく先がないということは、水はダムのように留まり続けるわけです。
水たまりが出来る原因はこのようなことが挙げられますが、続いて水はけを良くする方法をお伝えします。
庭の水はけ(水たまり)改善をDIYで簡単に行う4つの対策方法
1 庭に表面排水をDIYで行う方法(水勾配の取り方)
水捌けが悪い原因は、水が土の中に浸透しない事だと思いがちですよね。また、土を入れ替えれば解決できると思っている方が多いかと思います。
しかし全部の土を入れ替えるのには、予想外の金額がかかってしまいます。
また、土を入れ替えたからと言って、水はけがよくなるとは限りません。
実は、水はけが悪いのは土のせいではなくて、表面排水にあります。
どういう事かというと、雨が降ると、水が土の中に浸透する前に、水は地面の上を流れていきます。
地面の表面に溜まる雨水の量は、土の中に浸透する量よりも多く、7割ほどが地面を移動する雨水だと言われています。つまり、地面の中に浸透する雨水は3割程度という事です。
そこで大切になるのが、庭の地面に表面排水を作る事です。
地面に表面排水(水勾配)を作る事で、水を雨水桝に向かって誘導してあげるというわけです。そうすることで、庭に水は溜まりにくくなります。
お庭の水はけを考える上で、表面排水(水勾配)を取る事は最も大切です。どれだけ、対処法を行っても水が流れる経路を作ってあげないと、意味がありません。
表面排水・水勾配の取り方
必要な道具と道具の費用
- スコップ(角スコップ)
- 木製トンボ(レーキ)
- 定規(2mほどの木の棒でも可)
- 鉄筋
- 金づち
- 水糸
- メジャー
※トータルで1万円~2万円ほどあれば買いそろえる事が可能でしょう
作業手順
- 雨水マス付近に金づちで鉄筋を打ち込む
- 雨水マスから最も離れている任意の箇所に鉄筋を打ち込む
- 打ち込んだ鉄筋と鉄筋との間に、水糸を張る。この時、、雨水桝の鉄筋の水糸は低めの位置で張る。
- 張った水糸から地面の高さが、一直線で同じ高さになるようにメジャーで計りながら、スコップ(角スコップ)やレーキを使って表面の土を削ったり、土を足したりする。
- 水糸での近辺と同じ高さになるように、周囲の地面も同じように、土を削ったり、足したりする。
※通常の先が尖った剣スコップだと地面を平らにすることができないので、地面を平らにする場合角スコがおススメです。
高所から低い所に向かって表面排水(水勾配)を取る事で、水はけはよくなります。
2 庭の排水桝(雨水枡)に穴をあける
意外な盲点なのが、会所やU字溝のフチで、水がせき止められ、水たまりができてしまうという事があります。
大雨やゲリラ豪雨などで、大量の雨が降ると庭に水たまりができている場合は、一度、会所やU字溝の縁を見てみて下さい。せき止められている可能性があります。
これが原因で水がたまっている場合は、雨水マスの縁にドリルで穴を空けたり、U字溝の縁をサンダーでカットして水が掃けるように対処するとよいでしょう。
この時に、土や砂利まで一緒に流れて行かないように、開けた穴の前に網を張っておくことも大切です。※汚水マスに穴をあけないように注意しましょう。汚水桝はいじらないように注意しましょう。
また、雨水マスの上に土が溜まっている状態だと水が流れにくくなります。水たまりの原因になりますので、雨水マスの上には土が溜まらないように注意しましょう。
ひようとしては、充電式の電動ドリル(ドライバー)の購入費と、ドリルビットの費用だけなので、安くても1万円以内で道具をそろえる事ができるでしょう。
こちららの動画が参考になりますのでご覧ください。
3 砂利を入れて水たまりを解消する方法
砂利を入れて水はけを良くする方法があります。簡単に水はけを良くできるのはこのやり方ではないでしょうか?
庭の水はけの悪いところに、砂利を敷くことで、簡単に水たまりをなくすことができます。
砂利の粒が大きければ大きいほど、隙間が多くなり水を地面に通してくれるので、水はけが良くなります。
実際には砂利の下に水が溜まっている状態になりますが、水たまりができたり、泥で汚れるという心配はなくなります。砂利を入れるときは、砂利の厚みは3cm~5cmほど見ておくとよいでしょう。
砂利とを入れる事で見た目も綺麗になります。場所が一部の場合やDIYなどで自分で対処したい方などにはおすすめです。
実際の所、水はけが良くなるというよりは、水を見えなくしているだけという対処方です。本当に水捌けを良くしようと思うと、地面の水勾配を会所などに向かって取ったり、これから解説するような対処法を行うと事が大切です。
砂利を撒く場合の費用は、砂利の量によって費用が変わってきます。
砂利の費用の算出方法は、
プロの場合は、縦幅×横幅=面積→面積×厚み=立米→立米×単価/㎥=かかる費用を算出します。
とはいえ、DIYで行う場合は、袋に入っている砂利が何立米入っているか分かりませんよね。
その場合は、袋に「〇㎡分」と書いてあるので、
縦幅×横幅=面積→面積÷袋の㎡=袋の数→袋の数×単価=必要経費で算出することが出来ます。
例えば、砂利を撒きたい面積が、横幅3mで縦幅4メートルの場合で、1袋で1㎡分敷けて、単価が500円とします。
この場合、3×4=12㎡ 12㎡÷1㎡=12袋、12×500円=6000円となります。
とはいえ、どれぐらいの厚みで砂利を撒くのか?や砂利の大きさによっても必要な量が変わってきます。必要な量が変わると値段も変わるので、最初は少なめに入れ始めて、あとから撒く量を調整していくと良いでしょう。
ちなみに、業者さんに砂利を依頼した場合は、施工費なども含めて10万円ほどみておくとよいでしょう。※当然の事ながら業者さんやお庭の状況にもよります。
4 雨水浸透マスを作る
庭に雨水などを履けさせる場所がなかったり、水勾配が取れない場合は雨水マスを作って、そこに水が流れるようにしてあげる方法もあります。
とはいえ、DIYでプラスチックの雨水桝を取り付けてパイプをつなげるのは、業者でないとなかなかできません。
そこでDIYで行う場合、土のなかに自然に排水される雨水浸透を作るとよいでしょう。
やりかた
- お庭の任意の場所に深さ40cm~60cmほどの穴を掘る
- 掘った穴に砂利満杯に入れる
- 砂利の上に透水シートを敷く。砂利と土が混ざって目詰まりしないようにするため。
- 透水シートの上に、水はけの良い土(真砂土)などを敷く。(砂利でも可)
要するに、庭に穴を掘り、そこに雨水がながれるようにして、水が溜まると自然に土に浸透させていくようにするわけです。それが、雨水浸透桝です。
また、作った雨水浸透桝から、元々あるプラスチックの雨水桝に向かってパイプをつなげることで、排水することも可能です。
とはいえ、長時間雨が降り続いたり、雨の量が多い場合などは、満杯になってしまい、排水スピードが追い付かづに、溢れてしまう事もあります。
その場合は、プラスチックの雨水枡を増設して、パイプでつなげて確実に排水させるようにすると良いでしょう。
実際に雨水浸透マスを使った事例があるので、こちらを参考にしてみてください。
外構や庭の水はけ工事を業者に任せたい対策方法と費用について
1 庭に排水桝(雨水枡)を増設する
どれだけ、水はけの良い土にしても、排水先がないと水が溜まったままになってしまいます。
そこで、雨水桝を増設して、排水先を作ることで、水溜りにならないようにすることができます。
また、雨水浸透桝と違って、確実に水が流れていくので、溢れてくることもありません。
とはいえ、雨水枡を取付けるのは、工事が大掛かりになります。きちんとパイプをつなげて、水が流れるようにしないといけないので、DIYで行うのは正直難しいです。
基本的には工事業者さんに任せるた方が良いでしょう。
また、雨水桝ではなく目皿にするという方法もあります。
目皿とは、お風呂の床の排水口などを想像して頂けると分かりやすいです。
会所と違ってパイプを埋めるだけなので、手間はそれほどかかりません。ただし、土が流れてパイプの中に溜まらないように注意が必要です。
雨水マスの増設にかかる費用は、業者や状況にもよりますが、5万円~10万円以上見ておくとよいでしょう。
2 庭に側溝(U字溝)を取付ける(DIYでは難しい)
庭に側溝(U字溝)という溝を作って、そこに水を流す方法もあります。
U字溝とは連結式の排水溝のことです。U字溝のサイズに合わせて穴を掘り、U字溝を連結して、排水路に使います。
DIYで行うことでコストダウンで設置できることと、短時間で、雨水を効率よく集められます。
ただし、U字溝に向かって、地面の水勾配を取る事が大切です。水購買がそもそも取れていないとU字溝を設置しても水は流れていきません。
そのため、正直なところ、よほどDIYに慣れていない人でないとU字溝の施工は難しいです。
U字溝かかる費用は、業者や状況や距離にもよりますが、こちらも5万円~10万円以上見ておくとよいでしょう。
3 暗渠排水はDIYだとしんどい
盲暗渠(めくらあんきょ)とは地中排水に掘った溝に、砂礫(されき=砂と小石)や粗朶(そだ=細い木の枝を集めて束状にした資材)を詰めて、上部を埋め戻した排水渠のことを暗渠排水といいます。
土の中に水が通るルートを作ってあげるということです。
まず地面に溝を掘って、そこに暗渠パイプといって穴の空いたパイプを埋め込みます。その上に砂利を入れ、透水シートをかぶせて、土を埋め戻します。
こうする事で、表面は土なのでお庭の印象などを崩さずに済みます。
暗渠排水に向かって庭の地面の水勾配取る事で、雨が降った時にそこに集まるようにしておきます。すると、水は貯まらず、水はけが良くなります。
大切なのは、暗渠排水の出口を会所や排水溝などに繋げておくことです。こうすることで、水が地中内でたまらずに排水されていきます。
また、芝などをひいているところでは、地中にしみこんだ水がいつまでも残っていると、芝の根を腐らせたりするので、そのような事態を解消する方法でもあります。
ちなみに、暗渠排水をDIYで行っているかたも見られますが、溝を掘る作業や、溝に大量の砂利を入れないといけなかったり、溝の勾配計算をしたりと、DIYでは少々大変なので、到底できそうにないなと感じる場合は、プロに任せる事をお勧めします。
4 水はけの悪い土(粘土質)を土壌改良して排水性を改善する
最後の方法は土壌改良をして水はけの良い土にするする方法です。
新築を建てたあとのお庭は地面が粘土質である場合が多いです。
そこで、土壌改良をして水はけの良い土にすることで、水溜りを解消させることができます。
土壌改良とはいえ、お庭の土を全部取り除き、何かを混ぜ合わせて土質を変えるというような大げさな工事をする必要はありません。
水勾配を取り表面排水を行う作業をした後に、真砂土(まさ土)という土をお庭に撒いてあげる事です。
真砂土は土の粒子が粗いため、非常に水はけが良い土です。
雨が上がった次の日には、水溜りもなく、歩いても泥が靴にへばりつく事もないので、おすすめです。
とはいえ、真砂土をお庭全体に撒くのは、重労働であると同時に、大量の真砂土が必要になってきます。
時間や労力、材料費を考えると業者さんに任せた方が得策でしょう。
真砂土の効果
↑真砂土を撒いた後。雨が降るとその時は水たまりができます。左側の白いフタが雨水桝で、水勾配を取り、表面排水で雨水桝に流れるようにしてあります。
↑翌日、朝起きたときにはもう水が引いています。
5 透水性のコンクリートを施工する
透水性のコンクリートとは、通常のコンクリートとは違い、水を浸透させる能力を持つコンクリートの事です。
ドライテック/オコシコンやオワコンなどと呼ばれる資材もその一つです。
透水性のコンクリートは、コンクリート内部に細かな空洞を作り、その空洞を辿って水を通過させるという方法で排水されます。
水勾配がとれない場所などに有効的です。
ただし、「耐久性」と「施工性の悪さ」と「見た目」に課題があります。
施工に失敗すると、表面が固まらず、表面の石がポロポロ取れてしまい、砂利の状態になってしまいます。
これは、施工性の悪さからくるもので、施工時に素早く施工を行ったり、施工時の気候によっても左右されます。
また、その取扱いの難しさから施工できる業者も限られており、施工に慣れていない業者が担当すると失敗する可能性が高いです。
メンテナンスも必要で、コンクリートの上に砂や土やホコリやゴミ、カビや苔などが溜まると、目詰まりを起こして水が通り抜けなくなることがあります。
目詰まりを起こした場合は、高圧洗浄をかければ元に状態に戻すことが可能です。
とはいえ、見た目もコンクリートなので、おせじにも良いとは言えません。色がついた透水性のコンクリートもあるので、多少はこじゃれた感じにできます。
そのような事から、透水性コンクリートをご検討の場合は、メリットだけを鵜呑みにデメリットの情報も集めて、検討するようにしましょう。
※ちなみに、弊社・西原造園ではリスクが高いため、ドライテック/オコシコンやオワコンなどは取り扱っておりません。
透水性コンクリートのデメリットに関してはこちらの動画が参考になります。
暗渠排水の工事費用は?
暗渠排水の費用は、お庭の状況や設置のしやすさや、どれだけの長さで行うかで費用が変わってきます。また、業者さんによっても、微妙に施工の仕方が違うので、業者さんによっても費用は変わってきます。
そのようなことから、一概に相場はこの額ですとは言いにくいです。とはいえ大掛かりな工事になるので、30万円から50万円以上を見ておくとよいでしょう。
実際に、暗渠排水を使った弊社での施工事例がありますので、次の記事も併せてご覧ください。
お庭の水はけについて、色々調べけど、結局どうすればよいのか分からな人へ
奈良県にお住いの方へ
あなたが奈良県にお住いの方であれば、次のような経験がないでしょうか?
「ネットで検索して色々情報を調べたけど、自分のお庭の場合、どの方法が適しているのか分らない…」
「調べすぎてどうすれば良いのか分からなくなって、考える事がだんだん面倒になってきた…」
そう思っていませんか?
そこで、造園・外構業者さんにお願いしようと考えてはいるけど、、、
「ネットの情報だけでその業者さんを信用していいのか不安だ…」
「ポータルサイトや一括見積りサイトや地元の業者さんのホームページを見たけど、業者さんの対応が悪かったら嫌だな…」
「結局、工事金額はいくらかかるの?」
そう思っていませんか?
これらが分からないと、いくらお庭の問題を解決したくても、不安感から二の足を踏んでしまっていて、ずっと困ったまま過ごさざるを得なくなってしまいますよね。
そこで、もしあなたが奈良県にお住いの方なら、私たち「西原造園の無料相談」がお役に立てるかもしれません。
毎月5名限定なので、今すぐ次のボタンをクリックして詳細を確認してみてください。
今月はあと4名
お問合せフォーム受付時間:24時間 年中無休
まとめ
いかがだったでしょうか?
庭の水はけが悪いのを解決するには、まずは、会所などに水が流れるルートを作ってあげることが最も大事です。
そうする事で、雨が降った後、時間が経っても水はけが悪くてずっと水たまりが残っていたり、そのせいで庭でのガーデニングや庭に洗濯物を干すことを避けている方はきっと解決できると思います。
庭の水はけ問題は、放置していても解決することはありません。じめじめした環境はむしろ時間とともに悪化していきます。
せっかく綺麗にした庭でも雨が降ったり水たまりができてしまうと、そこから苔が生えますし、そこを通った靴で玄関や車が泥だらけになってストレスになる前に早急に実践してみてはいかがでしょうか。
庭の水はけを少しでも改善したいと思っている方は、是非試してみて下さいね。今回の記事を参考にしてみて下さいね。